今回は、歯科衛生士という仕事について、実際に10年程歯科衛生士として勤務されているやまだたまへさんに体験談をインタビューしました。現役の歯科衛生士の本音が聞けるので、歯科衛生士という仕事に興味がある方、今現在歯科衛生士の方などの参考になればと思います。外から見える良い面ばかりでなく、リアルな仕事現場についてのお話をお伺いしました。
今回の職業体験インタビューは歯科衛生士！現在も歯科衛生士として活躍されていて１０年ほどの勤務経験があるやまだたまへさんにインタビューしていきたいと思います。よろしくお願いします！
よろしくお願いいたします。
早速ですが、歯科衛生士を目指した経緯、歯科衛生士になる為にした努力を教えてください。
子供の頃から虫歯が多く歯医者さんに行くことが多かったです。歯医者さんで歯磨きの仕方を優しく教えてくれた歯科衛生士さんに憧れて歯科衛生士を目指しました。
歯科衛生士になる為には歯科衛生士の専門学校に入り国家試験を受けないと資格を得ることができないので、高校時代には自分の入りたい歯科衛生士の専門学校の偏差値を意識して通常の勉学をしました。専門学校に入ってからも国家試験の為に勉学に励みました。
子供の頃の体験から衛生士を目指されたのですね。それでは、現在の歯科衛生士としての仕事についての説明も兼ねて、一日の仕事の流れを大まかに教えてください。
出勤
出勤してから治療用の器具や備品の準備。
歯科医院の掃除。
パソコンや診察台、レントゲンなどの機器の立ち上げ。
当日の患者さんの治療内容の確認。
午前の診療
歯科医師の治療の補助や歯科衛生士業務（歯の掃除や、歯磨き指導など）。
治療に使用する器具の準備、片付け。
午前中に使用した器具の洗浄、滅菌作業。
休憩
午後の診療が始まる前に治療用の器具の準備。
午後の診療
歯科医師の治療の補助や歯科衛生士業務（歯の掃除や、歯磨き指導など）
治療に使用する器具の準備、片付け。
午後の診療終了後に治療に使用した器具の洗浄、滅菌作業。
歯科医院の掃除。
使用した機器類の電源を落とす。
退勤
ありがとうございます。やまだたまへさんは何度か転職のご経験があるとのことですが、これまで経験した職場の雰囲気を教えてください。
歯科医院によって職場の雰囲気はかなり変わります。
歯科衛生士のスタッフの人数の多い歯科医院は、新人のうちは特に他の歯科衛生士の先輩に色々と聞ける機会も多かったので勉強になりました。受付や歯科助手のスタッフも揃っている歯科医院では歯科衛生士業務にのみ専念できるので仕事上の負担が少ないと思います。
ただスタッフの人数が多い所は人間関係の派閥がある所もありました。
スタッフの人数が少ない所はアットホームな雰囲気の所が多いように思います。人数が少ないことで合わないスタッフがいると逃げ場がないので辛く感じる事があるかもしれないです。スタッフが少ない事で、受付や会計や電話対応など歯科衛生士以外の仕事を抱える事になりやすいです。
歯科医院の院長の性格によりずっと緊張するような職場もあれば、優しくてリラックスできる職場もありました。
また、職場（院長の治療方針）によって置いてある治療の器具や設備は全く変わります。
一般の職場と同様に歯科医院の規模感や経営者によって雰囲気が変わるということですね。それでは、歯科衛生士になって良かったこと、悪かったことを教えてください。
歯科衛生士になって良かった事は、仕事を辞めてしまっても、求人が多いのですぐに新しい職場で働く事ができます。妊娠、出産、子育てなどでブランクがあってもすぐに雇用してもらえました。パート勤務であれば時間の融通もかなりしてもらえます。
悪かった事は、姿勢がどうしても前かがみになるので肩こりや腰痛に悩まされる所です。
いろいろな生活の変化にも対応できる仕事というのは大変魅力的ですね！それでは、歯科衛生士の給料面、待遇について言える範囲で教えてください。
給料面は正社員の時は、拘束時間も長く忙しく働いている割には貰っている額は少ないように思いました。残業代が出ないなどざらにありました。一般企業に比べ昇給の額も少ないように思います。ただパート勤務だと他業種に比べ賃金も良いので満足しています。
福利厚生があまり整っていないので、厚生年金に加入できる歯科医院も少ないです。歯科医院によっては有休が取りにくい所もありました。
医療関係のお仕事なので、しっかりしているイメージがありましたが、労働条件が厳しい場合もあるのですね。意外でした。
それでは、歯科衛生士をしていて一番思い出に残っている出来事を教えてください。
コロナ前にマスクを外して患者さんのおばあちゃんと話をしていたら、「あなたの歯はきれいね～。入れ歯なの？」と真剣に聞かれて思わず笑ってしまいました。
それは、ほっこりしますね。そんな患者さんについて、歯医者に来る「困った患者さん」、逆に来てくれると「嬉しい患者さん」についてエピソードを教えてください。
困ったお客様の一つは横柄な方です、どんなに良い対応をしても怒鳴りながらお話されたりして委縮してしまいました。二つ目はセクハラです。セクハラ発言をされる方もみえますし、中には手や肩など体に触れてくる方もみえたので嫌な気持ちになった事があります。
嬉しいお客様は定期的に歯の掃除に来てくれている顔なじみになった方です。
患者さんとの距離が近い分、人間性が重要ということですね。それでは、今度は歯医者さんについての裏話を教えてください。
歯医者の先生によってかなり技量が変わります。下手な先生だと虫歯を削りきれずに虫歯が残ったまま詰め物をしていたり、詰め物が歯に合っていなかったりします。上手な先生だと息を吞むような美しい形態の詰め物を詰めてくれます。
そうなんですね！歯医者さんとひとえに言っても技量の違いが大きいのですね。それでは、私たち一般のお客が良い歯医者、悪い歯医者を見分ける方法はなにかございますか？
なかなか外から見分けるのは難しいですが、インターネット上のサイトや口コミよりも実際の知り合いの方からの情報を元に判断されると良いと思います。中で働いているスタッフは内情が分かるので知り合いや家族に対していい歯医者なら治療においでと勧めるが、悪い歯医者なら絶対に来ない方がいいと伝えます。そういった情報が入るのであればそこで判断されると良いかと思われます。
実際の口コミが重要ということですね。今度は、歯科衛生士ならではの職業病というか、ご自身の歯のお手入れ方法について教えてください。やはり、歯科衛生士の方は虫歯の人は少ないでしょうか？
歯を磨く時間は10分位磨いています。歯ブラシだけでなく、フロス（糸ようじ）や歯間ブラシ、ワンタフトブラシも使用しています。歯磨き粉も３種類、日常用、着色落とし用、歯の修復用と使い分けています。朝、晩は口腔内用の洗口液でうがいもしています。
元々虫歯になりやすかったですが、勉強して手入れするようになってからは虫歯にはほとんどなってないです。今まで見てきた歯科衛生士さんの中でも虫歯の人は少ないように思います。
それでは最後に、現職の歯科衛生士として感じる、歯科衛生士に向いている人はどんな方だと思いますか？
コミュニケーションを上手に取れる人が歯科衛生士に向いていると思います。仕事の中で治療の説明や歯磨き指導など人と会話して伝えることが多いからです。また老人から赤ちゃんまで幅広い年代の患者さんと接する機会があるので、思いやりを持ってお仕事ができる方だといいと思います。
ありがとうございます。今回は大変参考になるお話をありがとうございました。歯科衛生士を目指す方など是非参考にしてください！
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