現役弁護士が仕事内容をわかりやすく解説!一日の流れ、やりがいやリアルな裏話

コラム

今回は、憧れの仕事として有名な弁護士という仕事について、実際に5年程弁護士として活躍されている田口愛子(仮名)さんに仕事の体験談をインタビューさせて頂きました。現役の弁護士の仕事内容や本音が聞けるので、弁護士という仕事に興味がある方や学生の方などの参考になればと思います。外から見える良い面ばかりでなく、リアルな仕事現場についてのお話をお伺いしました。

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今回の職業体験インタビューはなんと弁護士先生!現在も弁護士として活躍されていて5年ほどの勤務経験がある田口愛子(仮名)さんにインタビューしていきたいと思います。よろしくお願いします!

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田口愛子

よろしくお願いいたします。

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それでは早速ですが、弁護士を目指した経緯を教えてください。

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田口愛子

もともと法律に興味があったので、大学では法学部に進学しました。
会社員ではなく、資格をとって独立して自由に働きたいという希望があったので、漠然と弁護士になりたいと思っていました。

そんな時、男女関係のトラブルに巻き込まれてしまい、ある弁護士に交渉を依頼することになりました。
その弁護士が間に入ってくれたおかげで、無事トラブルも解決し、安心して元通りの生活を送ることができました。
その経験から、私も弁護士になって困っている人の助けになりたいと思い、弁護士を目指しました。

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なるほど、実際に弁護士に助けてもらう機会がきっかけになったのですね。弁護士になるまでが非常に大変だと思いますが、弁護士になるまでの苦労した話などを教えてください。

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田口愛子

弁護士になるためには司法試験に合格しなければいけません。
司法試験を受けるためには、法科大学院を卒業するか、予備試験という試験に合格しなければいけません。
私は、大学卒業後、法科大学院に進学して2年間勉強しました。
憲法・民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法・会社法・行政法といった基本的な法律や、応用分野の法律を学びました。
法科大学院の授業は、ソクラテスメソッドといって、教授と学生との質疑形式で行われるので、きちんと答えるための予習が大変でした。朝4時まで予習に追われていたこともありました。
法科大学院の2年分の学費、生活費、教科書代、司法試験受験の予備校代など、金銭的にもかなり苦しかったです。
利子のない奨学金を借りたり、親から仕送りしてもらったりして何とか勉強できていました。
大学の同期は就職して働いているのに、自分はまだ学生の身分だと思うと情けなくて辛かったです。

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大変な難関試験だという印象がありますが、2年間の勉学で無事ストレートに合格されたのですね。それでは、実際に弁護士になった後の、新人時代の苦労話、職場の雰囲気について教えてください。

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田口愛子

私は全く社会人経験がないまま、いきなり新卒で弁護士になったので、名刺の渡し方や電話の取り方といった基本的なビジネスマナーもわからず大変でした。最初に入った法律事務所には新人の教育担当がおらず、ビジネスマナーを教えてくれる人もいないので、本などを読んで学びました。

また、弁護士になったら、新人かどうかは関係なく、「先生」として重い責任を背負って仕事をしなければならないので、かなりストレスを感じました。

現在働いているのは小さな事務所で、弁護士と事務局含めて5人程度しかいないため、アットホームな雰囲気で仕事をしています。コロナ禍となる前は、飲み会や旅行を開催して、楽しく働いていました。コロナ禍となっても、裁判は基本的に裁判所で対面で行われますし、通信手段もFAXや郵便を結構使っているので、リモートワークにはなったことはありません。事務所によってはデジタル化が進んでいてリモートワークになっているところもあるそうです。

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確かにいきなり、弁護士先生として振る舞う必要があるというのもすごいプレッシャーですね。弁護士さんとしてどういった仕事をされているのかを教えていただければと思いますので、一日の仕事の流れを大まかに教えてください。

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田口愛子

10時 事務所に出勤
10時~13時 新規お問い合わせの電話対応、依頼者や相手方への電話対応、メールチェック&返信
13時~14時 お昼休憩(節約のためお弁当を持参)
14時~17時 裁判や調停があれば出廷 なければ午前中同様に電話・メールの対応、裁判などの書面を作成
17時~20時 新規お問い合わせの電話対応、依頼者や相手方への電話対応、メールチェック&返信、裁判などの書面を作成
20時~21時 必要があれば、警察署にて接見(被疑者・被告人との面会、打ち合わせ)

昨年、体調を崩してしまったので、それ以降は仕事量を少しセーブしています。

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責任が大きい分、ハードな内容なのですね。それでは、弁護士になってよかったこと、悪かったことを教えてください。

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田口愛子

<良かったこと>
・依頼者から「ありがとうございます」と感謝してもらえることです。本当に励みになります。
・社会的に意義のある仕事なので、他人の役に立っているという実感が持てます。
・平均的な女性会社員よりも収入が多いです。
・プライベートでも、初対面の人から信頼してもらえます。
・会社員と違って、働く時間に制約がないです。
<悪かったこと>
・会社員と違って、働く時間に制約がない分、メリハリをつけたり受ける仕事量を調整したりしないと、際限なく働くことになってしまいます。
 一番忙しかった時期は、火曜日と木曜日は事務所に泊まり、月曜日と水曜日と金曜日だけ帰宅してシャワーを浴びて着替えていました。事務所に介護用の身体拭きシートとドライシャンプーを常備していました。
・会社員と違って、決まった給与がないため、収入が不安定です。仕事が入らないときは、収入も当然減ります。常にある程度の貯金がないと不安なので、常に節約を意識しています。
・私だけかもしれないですが、なかなか結婚できないです。男性に、弁護士をやっていると言うと、怖そうと思われるのか引かれてしまいます。

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よかったことというのは、一般の人が想像する弁護士のイメージに近いかもしれませんね。しかし、悪かったこととして挙げられている部分は意外な内容でした。我々がよく目にする弁護士ドラマと、現実の弁護士のイメージの違いを教えてください。

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田口愛子

弁護士ドラマでは、法廷で弁護士が長々と演説のように話していますが、実際はそんなに話しません。実際には、裁判員裁判や尋問以外は、事前に裁判所に提出した書面を「陳述します」と言うか、読み上げるだけです。

よく弁護士ドラマで、法廷で真犯人を名指しするシーンがありますが、そんなことをするとまず間違いなく裁判官に制止されます。
尋問では、弁護士は基本的に質問をするだけなので、自分の推理を披露することはありません。

弁護士ドラマは、一定期間1つの事件にかかりきりになっていますが、実際は数十件の事件を同時並行で行っていますので、1つの事件にかけられる時間は限られています。「そりゃそんだけ時間もお金もかけられるなら、弁護士自ら聞き込みしたり、鑑定したりできるよね・・・」と羨ましく思ってしまいます。

弁護士ドラマでは法廷で「異議あり!」と叫ぶシーンがありますが、実際はそんなに異議は出ないです。相手の弁護士や検事の尋問があまりにもひどいとき(同じ事を何度も聞く、関係ないことを聞く、およそ知り得ないことをしつこく聞く等)は異議を出しますが、そのような尋問にあたったことは少ないです。

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ありがとうございます。今後のドラマを見るときの参考にします(笑)次はズバリ、弁護士といえば高給のイメージがありますが、給料面、待遇について教えてください。

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田口愛子

事務所や、事務所内の立場によりますが、新卒の平均年収が600万円かと思われます。
私が新卒で入った事務所では、年収500万円でした。
2年目で転職した後は、その年の売上によって年収800万円~1000万円です。私の事務所では、売上に連動して賞与の金額が決まるといった給与体系になっています。
(厳密に言うと、雇用契約ではなく業務委託契約なので、給与ではなく報酬です。)

売上によって収入の増減があるので、売上が下がると前年の税金の支払いなどがかなり厳しいです。そのため、普段から節約して、貯金や投資(株式投資、投資信託)に回すようにしています。

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なるほど、やはり一般的な年収と比べるとかなり高給ですね。ただ、いわゆる個人事業という形で収入がばらつきがあるのですね。

それでは、弁護士ならではといいますか、身の危険を感じるようなトラブルなど、事件性のある出来事があれば教えてください。

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田口愛子

基本的に、相手方から恨みを買うことが多いです。
たとえば、労働者の代理人として元勤務先に残業代を請求したら、反社会的勢力と繋がりのありそうな会社で「今からお前の事務所に行くからな」と脅されたことがあります。
結局、その会社は事務所には来ませんでしたが、このような脅しは結構多いです。

最近だと、相手方だけでなく、世間の人々も、身の危険を感じる対象になっています。
ニュースになるような凶悪な事件の犯人の弁護人をすると「こんな奴の弁護をするなんて最低だ」などとネット上で叩かれるので、弁護人をやっているという情報が漏れないように気を付けています。

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仕事をすればするほど、恨みを買うというのはやはり大変なお仕事ですね。

仕事の話から少し話題を変えて、弁護士のぶっちゃけ裏話を教えてください。

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田口愛子

男性弁護士は、やはりモテるので、浮気や不倫をしている人が結構います。

既婚や彼女持ちなのにマッチングアプリをしたり、事務所の事務員と不倫したりといった話を良く聞きます。
「法律を扱う仕事のはずなのに、法を破って不倫をするの?」とびっくりする人もいるかもしれませんが、法律を扱う仕事だからこそ、法の抜け穴をかいくぐっています。
弁護士は、普段、不貞慰謝料請求事件や離婚事件を経験しているため、自分にとって何が不利な証拠かを熟知しています。そのため、自分にとって不利な証拠を残さないことが得意です。
複数名の愛人がいるという弁護士も少なくないです。

逆に、女性弁護士は本当にモテません。司法試験に合格すると、司法修習という研修を1年間受けるのですが、女性弁護士の間では「司法修習で彼氏ができなければ一生独身を覚悟したほうがいい」と言われています。

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すごい話をありがとうございます。。男性弁護士には要注意ですね(笑)

最後になりますが、弁護士に向いている人はどんな方だと思いますか?

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田口愛子

メンタルも身体もどちらも強い人が向いています。

勉強ができれば司法試験には合格できますが、実際弁護士として働くと、勉強ができるかできないかは関係ないです。

弁護士は、他人のトラブルを他人に代わって解決に導く仕事なので、常にトラブルに巻き込まれています。常に戦い続けないといけないので、相当強いメンタルが必要です。

また、会社員のように労働時間の制約がなく、長時間労働になりがちなので、体力も必要です。私も、弁護士になるまでは運動経験がありませんでしたが、体力をつける必要性を感じて、スポーツジムに通っています。

弁護士を目指すのであれば、勉強だけではなく、今のうちからメンタルと身体を鍛えておくと良いでしょう。

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実際の弁護士をされている田口愛子さんだからこその、非常に重みがあるメッセージだと感じました。本日はいろいろとお話を聞かせていただきありがとうございました!弁護士を目指す学生さんや転職を考える方の大変参考になったと思います。


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