海外の健康食品や化粧品の個人輸入の危険性!トラブルの責任の所在など知っておくべき国際配送の知識

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先日ツイッターを見ているとショッキングなニュースが目に飛び込んできました。

そのニュースとは「韓国から輸入したダイエット薬は実は覚せい剤の成分が含まれていた」というものです。

そして、この薬の愛用者が覚せい剤を輸入したということで、次々に摘発される事態となっているようです。この薬を服用された方は、昨年から全国で500件以上確認されたということです。今後もたくさんの被害女性が摘発される可能性がある大事件です。

何故こんな事態になってしまったのか、こちらのニュースから学ぶ個人輸入のリスクについて、貿易業や流通業に10年以上携わる筆者が解説していきます。

・そもそも個人輸入とは?ネット販売も対象?
・ネットの発達によって身近になりすぎた個人輸入
・海外の健康食品や化粧品の個人輸入の危険性
・個人輸入できる商品は安全?危険をどう見分ける?
・製品トラブルが起こった場合の責任の所在。誰が責任をとるのか?
・まとめ

そもそも個人輸入とは?ネット販売も対象?

今回のケースは、日本に在住の方が韓国の医院(販売店)のHPから直接薬を購入し、日本の住所に国際配送便で送付したというケースだそうです。

つまり、海外から直接商品を仕入れており、個人であっても「輸入」行為という扱いになります。

税関のホームページには、個人の輸入について以下のように説明されています。

個人輸入について法令上に定義はありません。一般的には「外国の製品を個人で使用することを目的として、海外の通信販売会社、小売店、メーカーなどから、個人が直接購入すること」といわれています。

出典:税関

輸入という行為を行う以上、個人であろうと関税の支払い等、様々な責任が発生してきます。

ちなみに、輸入の場合の関税は、国際送料を含む商品代金の合計が1万6666円以下なら免税とされています。これを超える場合は関税の支払い義務が発生します。

今回の事件のケースでは2万円ほどの価格だったそうですので、関税の支払義務も発生していたと考えられます。

こういった関税についての知識ももちろんですが、個人での輸入を行うということは、法律の違う国の事業者との契約行為になるということを十分に理解しておかなければなりません。

統一されたルールに基づいて販売されている、日本国内の事業者から商品を買う事とはリスクがまったく異なります。

ネットの発達によって身近になりすぎた個人輸入

今回のケースは、インターネットを通じて直接韓国の事業者からの購入を行ったとのことです。

ホームページは日本語化されていたそうで、たくさんの販売実績や効果効能、口コミが書かれていて、被害者の方達はそれを見て安心して購入されたのだと予想されます。

クレジットカードやpaypalという便利な決済システムの発達により、海外でもややこしい為替について悩まされることなく決済ができ、韓国からであれば日本への送料もほとんどかからないでしょう。

まるで国内でネット購入するのと同じような感覚だったのではないでしょうか。ネット上だけなら国境というものを意識することなく、買い物することができる時代です。

その手軽さの反面、前述したような個人での輸入行為に関するリスクも知識も恐らく持ち合わせていなかったのではないでしょうか。該当のホームページを見たわけではないのであくまで予想ですが、販売サイトにも輸入に関するリスクについては大々的に記載されていなかったのでしょう。

上記までを読んで、こんな怪しげな海外サイトから買うのが悪いんじゃない?そう思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、実は個人輸入に該当するケースは国内サイトで購入する人の身近にもあります。少し話がそれますが、多くの方が陥る可能性があるケースについて記載します。

海外サイトだけじゃない!国内大手モールでも個人輸入となる場合

気を付けるべきは、海外サイトから直接購入する場合だけじゃありません。

最近では、amazonや楽天でも買い物をしようとすると、実は「国際配送」で海外から商品が送られてくるなんていうケースがあるのです。

実は近年、アマゾンや楽天でも海外の事業者でも直接出店が可能になるケースが増えています。その場合、日本に事業所を持つのでなく、海外の事業所から商品が直接送られている場合があります。

以下は楽天市場のある海外事業者の商品の例ですが、配送方法の欄をよく見ると「国際配送」となっています。送料がいくらかかるのかといったことが気になって、うっかり見落としてしまいそうですね。

更に、こういった店舗の利用規約を見ると、例えば個人情報の取扱いについても「販売者の国の法律に基づいて取り扱う」という記載がある場合があります。外国の法律に詳しい訳ではないのに、何故安心して個人情報の提供が出来るのでしょうか?

国内取引とは異なる個人輸入となってしまうにも関わらず、パッと見で国際配送なのか?ということはわからないのが現状です。私個人としてはもう少し差をつけるべきだと思いますが、法律などの整備が追い付いていないのが現状なのでしょう。

大手モールだからと安心して、販売ページの表記を見ることなく購入してしまうと実は海外から商品が発送されてきて、関税や輸入消費税が別途徴収されるということもあり得ます。しっかりと確認して購入しましょう!

海外の健康食品や化粧品の個人輸入の危険性

輸入とはいえ、ただのぬいぐるみや雑貨の輸入では危険性はそこまで高くないでしょう。

しかし、今回の事件のような様々な成分が配合された健康食品や、肌に直接塗り込むような化粧品などは含まれる成分が身体に及ぼす影響があるものが多いので、リスクが大きいです。実際に海外製品の個人輸入による健康被害が報告されるケースが後を絶ちません。

日本では医薬品に関しては成分などについて取り締まる法律があります。また、販売する際の消費者向けの文言についても非常に細かい定義があります。

例えば、健康食品で「○○に効果・効能がある」という記載をするには、明確にどういった場合において、どのような効果が実証されたのか、などが証明できない商品は効果効能を記載することは一切できません。成分からしてなんとなく効果があるだろうというような、曖昧な場合は「効果効能」の記述はできないのです。

しかし、海外においてはどうでしょうか?医薬品に使ってはいけない成分は日本と同じですか?なんの試験での実証もされていない医薬品に関して、「効果効能」を表記して販売すると取り締まる法律があるのでしょうか?

更には、「外国向け」にこれらの行為を行ってはいけないという法律があるのでしょうか?誰が取り締まるのでしょうか?輸入する側の国でしょうか?その販売事業者の属する国でしょうか?

国や販売業者によってもちろん異なるとは思いますが、日本のようにしっかりとルールが取り決められていないケースが多いと思います。実際に海外の健康食品などで高らかに効果効能を謳っている商品を見ることがありますが、どのように立証されたかという記載は曖昧というか特に書かれていないケースもあります。

つまり、日本とは異なりなんの安全性も保障されていない、効果もないものが売られているかもしれません。法律やルールが細かく定められていて、消費者を守ることに努力をしている日本の常識は海外において通用しないかもしれません

実際、今回の事件では「覚せい剤の成分」が入った薬が販売されていたのです。被害にあった後では取り返しがつかない場合があります。

個人輸入できる商品は安全?危険をどう見分ける?

私は基本的に、日本国内で販売をしておらず、海外でしか販売されていないという健康食品や医薬品に関しては「危険」である認識しています。

もちろん、日本で販売が許可されていないだけで安全な商品もたくさんあるでしょう。

しかし、その商品が安全であるかどうかをどうやって見分けることができるのでしょうか?ホームページに業者が書き連ねた甘美な謳い文句でしょうか。それともホームページに出てきている何だかよくわからない権威のある風のヒゲ面の研究者の証言コメントでしょうか。そこに書かれている内容が事実であると誰が保証してくれるのでしょうか。

私には専門的な医学の知識も科学の知識もありません。販売についてのルールや成分についての法律がどの程度整備されているかもわからない外国の商品を安心して買う根拠を持ち合わせていません。

一定の根拠として、海外の製品でも日本国内で販売する許可を持っている製品であれば、日本国内で検査し、日本のルールに則って販売されている、安心して購入できる商品だと予想できます。

しかし、個人輸入となる直接海外から仕入れる商品についてはどうでしょうか。

なぜ手間のかかる個人向け輸出でネット販売をしているのか?

海外への発送業務などに携わった経験から言えば、個人宅向けの海外輸出というのは非常に手間がかかって面倒です。出荷の手間もそうですが、税関で止まってしまったり、なぜか輸送中に業者が荷物を紛失したり、ルールが異なる国を跨ぐため、国内では考えられないようなトラブルが多々起こるからです。

個人で商売をされているような取扱件数も少なく、小規模な事業者であれば、こういったやり方でも十分に対応ができ、利益が出せますが、比較的大規模なメーカーなどはこういった対応は基本的には行わないでしょう。

では、化粧品や医薬品、健康食品を作っているような会社が、個人経営のような小規模な事業者であるでしょうか?もしそうだとしたら、その商品の安全性などは大丈夫なのかという別の不安が出てきます。

大手の製薬会社などなら、基本的には輸出先の国の代理店を見つけて、そこにまとめて商品を送り、その国のルールに則って販売してもらうというのがセオリーです。代理店にマージンをとられてもそちらの方がはるかに効率的で、安全に、大きな商売をすることができます。

代理店に委託して販売が出来ないということは、理由があるはずです。

驚く程売れている商品なら何故代理店が飛びつかないのか

流通業を長年してきた私の経験から書かせて頂くと、本当に人気のある商品なのであれば日本国内の輸入業者が飛びつき代理店契約を結ぼうとするはずです。輸入業者も常日頃ヒット商品を探しています。

そうすれば、日本の輸入業者も海外のメーカーも利益を生むことが出来るからです。まさにwin-winですね。

しかし、そうならないのには必ず理由があるはずです。

一つ目の理由は、単純に売れていない・人気がない商品だからでしょう。商品ページやサイトに以下に人気を装う文言を書き連ねていても誇張された嘘の場合も多々あります。一般の方は騙せても、代理店は商売でやっていますので、マーケティング調査を行い、売る価値がないと判断すれば契約することはないでしょう。

2つ目の理由は、日本国内で販売する許可が取れないケースです。

日本国内の代理店が商品を輸入をして日本で販売する場合、当然ながら日本国内の法律・ルールに則って販売する必要が出てきます。日本の代理店が基本的には責任を持って販売しないといけないからです。

その場合、販売したい商品が日本で売ることができる商品なのか?成分は問題ないのか?といった審査を当然受けないといけません。

しかし、何度も記述していますが、海外ではOKでも、日本ではNGという成分が多くあり、なかなかこの審査を通すことができないというケースがあると聞きます。

つまり、日本国内で商品として売ることは出来ない成分が入っているなどの理由で、日本国内の販売許可がおりない場合があるのです。今回の輸入事件で販売された覚せい剤成分入りの薬を、もし日本で検査した場合確実に販売許可はおりません。

結果的に、日本の代理店で取り扱ってくれない商品もしくは、販売許可が取れないなので、海外の事業拠点から直接輸出販売する形を取らざるを得ない場合というのが多々あると考えられます。

果たして、このような商品を安心して購入することが出来るでしょうか。私は甚だ疑問を感じてしまいます。

製品トラブルが起こった場合の責任の所在。誰が責任をとるのか?

ここからは、私が個人輸入が危険だと考える一番の理由を記載していきます。

以下はJETROのHPからの一部抜粋です。

質問

輸入品の場合、その品質欠陥に起因する人的・財的損害が発生した際の製造物責任者は誰になりますか。

回答

1995年7月に「製造物責任法(PL法)」が施行されました。同法は6つの条文からできており、その基本的考えは、「客観的に見て製品に欠陥があれば製造業者等は賠償責任を問われる」というものです。製造業者等の中心になるのはメーカーですが、輸入品の場合には、同法第2条3項により輸入した者が製造業者等に該当します。従い輸入者が責任を問われることになります。その理由の一つは、被害者が海外メーカーを直接訴えることは困難なため、輸入者が責任を負わなければこの法律の本来の目的が果たせなくなるからです。

出典:JETRO

こちらで記載されている通り、輸入品の欠陥があった場合、その責任を負うのは輸入者となります。

つまり、個人輸入の場合、責任を負うのは「輸入した本人」となります。

今回の事件で当てはめて記載すれば、「覚せい剤の成分が入った薬を輸入した本人の責任」となります。

厳密に言えば、売買契約を結ぶ際に契約書などによって、責任の所在をどちらが負うかという形で決められるのですが、こういったインターネットで海外サイトから個人が購入するような場合、販売する海外の事業者側が全責任を負うという契約を事前に取り決めているケースはほぼゼロでしょう。

私個人の経験で、輸出を行っていた側の意見を言えば、輸入する側の国の法律なんて知ったことではないです。あくまで輸入する本人が調べた上で、責任持って購入し、輸入してくれということになります。

つまり、個人輸入の場合、誰も責任を取ってくれないのです。基本的に全て輸入する人間の自己責任です。

今回の覚せい剤成分輸入事件で考えると、もし仮にこれが日本の業者が代理店となり販売していたのであれば、販売業者が摘発され、購入した人間は被害者として損害賠償を請求できるでしょう。

しかし今回の事件の場合、事実として摘発されたのは「個人輸入をした被害者達」なのです。販売した韓国の医院ではありません。なぜなら責任は輸入した本人(購入者)にあるからです。

仮に被害者の女性たちが覚せい剤の成分で薬物中毒になっても、それも全て個人輸入した本人の責任となるでしょう。

感情論から言えば、もちろん販売した韓国の医院が悪いですし、責任がないとは言いたくありませんが、実際に責任を取らせることは相当に困難でしょう。

個人輸入はリスクを十分理解して実施しましょう

今回は個人輸入のリスクについてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?

インターネットで個人でも気軽に海外の商品も売買ができる昨今ですが、そのリスクがどのようなものか少しでもご理解頂ければ幸いです。

決して、すべてのケースにおいて危険ということではないですが、こういったリスクを知った上で買い物をされると今回のような悲惨な事件に巻き込まれることを避けることができるのではないかと思います。

日本の当たり前の習慣は、海外では当たり前ではありません。日本で生まれ育つと、いろんなルールで個人は社会に守られるのが当たり前のように錯覚してしまいますが、海外ではそうはいかないケースが多く存在します。

こういったリスクを知ったうえで、様々な角度から考え行動していくことが重要です。これを読んだ方のこれからの人生の参考になれば幸いです。

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